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『愛の、がっこう。』から知る学習障害│ディスレクシアとは

「カヲルさんは、バカなんかじゃありません」

自分はバカだから…そんな想いで学校生活を送っている子どもたちがいるのを知っていますか?

『愛の、がっこう。』を見て、初めて「学習障害」という言葉に触れた方も多いかもしれません。

ドラマの中で描かれるディスレクシアの姿は、決して遠い世界のことではなく、実際に私たちの身近にあります。

私自身、支援学校で働きながら、家庭では学習に困難を抱える子を育てています。

子どもが「できない」と苦しむ姿を前に、どう声をかけたらいいのか、親として迷ったことは一度や二度ではありません。

だからこそ、このドラマをきっかけに多くの人が学習障害を知ってくれることを、とても心強く感じています。

この記事では、ドラマのあらすじを振り返りながら、

  • 学習障害の基本的な理解
  • 家庭で気づけるサイン
  • 親としてできる関わり方
  • 相談できる場所

について、やさしく解説していきます。

ドラマをきっかけに興味を持った今だからこそ、一緒に学び、子どもたちの可能性を広げていきましょう。

この記事の著者

学習障害の息子2人の母

ぴーたん

プロフィール

25年間高校教員を勤め、現在は特別支援学校勤務。
これまで、多くの発達特性のあるお子さんたちと接してきました。
私自身、学習障害のある息子たちを育てながら、家庭と学校の両面からサポート
このブログでは、保護者の「どうしたらいいの?」に寄り添い、実体験や役立つ情報をシェアしています。
さらに詳しいプロフィールはこちら

ドラマ『愛の、がっこう。』のあらすじ:心が動かされたその瞬間

『愛の、がっこう。』は私立ピエタス女学院を舞台にした物語です。

主人公は現国教師の小川愛実(木村文乃)

家庭の価値観に縛られ、恋愛や将来に迷いを抱えています。

そんな彼女が、夜の街で働くホストカヲル(ラウール)と出会い、自分の生き方を見つめ直していく姿が描かれます。

物語では、カヲルが文字の読み書きに困難を抱える“発達性ディスレクシア”であることが明かされます。

学習障害への理解不足や偏見、教師としての葛藤、そして人と人が出会う意味を重ねながら進むストーリーです。

ここからは、主人公の背景や舞台設定、運命を変える出会い、そして学習障害にまつわる気づきの場面を順に見ていきましょう。

「ドラマ『愛の、がっこう。』のあらすじと学習障害の伏線

主人公は私立ピエタス女学院高等学校・三年葵組の担任、小川愛実。

生徒の信頼をつかめず、学級崩壊しているホームルームの冒頭が印象的です。

私生活では父に紹介された銀行員と結婚前提で交際中だが、心は晴れません。

そんな折、教え子の夏希がホストクラブ通いと判明し、愛実は副担任と歌舞伎町へ。

店名は「THE JOKER」。怖さを押し隠して踏み込む姿に、彼女のまっすぐさと不器用さが同時に浮かび上がります。

ちなみに、現実では生徒がホスト通いをしていてもホストクラブまでは行かないです~。

学習障害を抱えるカヲルとの出会いが物語を動かす

店内で夏希に寄り添う人気ホスト・カヲルと、愛実は初めて真正面から対峙します。

保護者が求めた「今後連絡しない」旨の念書を巡り、愛実は友人の百々子と再び店を訪れ、二人は奇妙な距離感で再会。

昼の教師と夜のホスト、立場も価値観も正反対なのに、互いの脆さが磁石のように引き合う描写が丁寧です。

倫理や世間体だけでは割り切れない、「他者を理解したい」という衝動が、静かな火種として恋の始まりを照らします。

ディスレクシア(読み書き障害)に気づく重要なシーン

カヲルには学校経験の乏しさに加え、漢字の読み書きが苦手という特性が早い段階から示されます。

念書を書かせるも、文字は整わず、漢字がほとんど書けません。

「ふざけてるんですか?!」

と愛実がカヲルに怒るも、

「学校に通っていないから、どうせバカだから」

と答えるカヲル。

カヲルが、小川先生の名字を

「線が6本なんて、いいじゃん!ラクで!」

と言ってましたね。

実は、私の名前もこのくらいシンプルなので自分のことかと笑ってしまいました。

我が家では、子どもに結構な画数の名前をつけてしまって申し訳なく思っています。

もし、ディスレクシアってわかってたら…「一(はじめ)」とつけたかも。

そして、カヲルのことが気になる愛実。

副担任から学習障害のレクチャーを受け、当事者が抱える困難を言語化してもらいます。

ボールペンではなく、消せるシャープペンシルを筆記具に選んで学習の際のプレッシャーにならないよう配慮。

漢字をブロックに分けて、漢字学習の教材を作るなんて…忙しい教員にそんな時間ある?!

ドラマは安易なラベリングを避け、本人の

「文字の勉強をやりたい」

という意思が伝わってきました。

そして寄り添う側の学び直しを並行して描く点が好ましく、視聴後の余韻も深いです。

ホストクラブの風営法関係のエピソードが濃くなり、徐々にディスレクシアであることは番組で重要ではなくなるのかな?と思い見ていました。

しかし、

「警察の調書にサイン」「書類を読む」

などにもディスレクシアという困難がつきまといます。

いや、でも警察は外国人の聞き取りや調書の経験も多いし、障害について全く理解していないという状況はあまりないのでは…?

警察の現場では実際どうなのか、聞いてみたいところです。

二人の恋については思ったのは、

今まで出会った女と違うから、文字を教えてくれるからという理由(もっとあると思うけど)で、そこまで年上の女性を好きになるか?

もし、教える関係が終わったら、この恋も終わるのでは?

など恋愛パートにはツッコミが止まりません。

学習障害ってなに?ドラマから始まる理解への道

ドラマで初めて「学習障害」という言葉を知った方もいるかも知れません。

ここでは定義や種類、家庭で気づけるサイン、親の関わり方や支援制度について、やさしく解説します。

学習障害とは?ディスレクシアやディスカリキュリアの種類

学習障害は知的発達に遅れがないのに、特定の学習分野で著しい困難を示す状態です。

たとえば小学校の40人のクラスに、2~3人いると考えられています。

思ったより多くないですか?!

努力不足ではなく、脳の特性によって起こるものだと考えられています。代表的には次の三つに分けられます。

学習障害の種類主な困難
ディスレクシア(読みの困難)文字を認識したり、文章をスムーズに読むことが難しい状態です。
音読に時間がかかったり、読んでも内容が頭に入りにくい特徴があります。
ディスグラフィア(書字の困難)字を思うように書けなかったり、バランスよく整えて書くのが難しい状態です。
字が大きくなったり小さくなったり、形が崩れることもあります。
ディスカリキュリア(計算の困難数字の概念がつかみにくく、計算や時計の読み取りに苦労します。
「数が覚えられない」「繰り上がりや繰り下がりが理解しにくい」などが特徴です。

これらの特性は子どもによって現れ方が異なり、複数が重なる場合もあります。

早めに気づき、子どもの得意な方法で学びをサポートすることが大切です。

学習障害のサインとは?家庭で気づける見守りポイント

学習障害は知的発達に遅れがないため、気づかれにくいことがあります。

日常の中で小さなサインを見逃さず、早めに気づくことが大切です。まず家庭で多く見られるのは「文字の読み間違い」です。

同じ漢字を繰り返し間違える、文章を音読すると飛ばして読んでしまうなどの特徴が表れます。

読むことに強い負担を感じるため、宿題の音読を嫌がるケースも少なくありません。

次に「書字のつまずき」も重要なサインです。字が大きすぎたり小さすぎたり、バランスが取れずに崩れることがあります。

形は覚えていても、枠からはみ出す、同じ字を何度も書き直すなどの行動が見られます。

また、計算や数字の扱いに苦手さを持つ子もいます。

九九がなかなか覚えられない、繰り上がりや繰り下がりで混乱する、時計の針の読み取りに時間がかかるといった特徴です。

学習以外では問題なく会話ができたり、得意な遊びを楽しんでいる場合も多いです。

そのため「怠けているだけ」と誤解されやすく、発見が遅れることもあります。

怖いのは二次障害

二次障害とは、学習障害そのものが原因ではなく、周囲に理解されず「努力不足」と誤解され続けた結果、後から現れる心理的・行動的な問題を指します。

自己肯定感の低下や不登校、うつや不安などが代表例です。

早く気づいて支援につなげることが、二次障害を防ぐ大切な一歩になります。

カヲルも、学校でバカにされたことで通えなくなり、学習の機会を失ってしまいました。

家庭で少しでも気になるサインを見つけたら、学校や専門機関に相談することが安心につながります。

子どもの困りごとは努力不足ではなく特性から生まれるものと理解し、温かく見守る姿勢が何より大切です。

学習障害の子どもを支える親の関わり方と家庭でできる工夫

学習障害のある子どもに接するとき、まず大切なのは「努力不足」と決めつけないことです。

子どもは一生懸命頑張っていても成果が見えにくいだけで、その背景には脳の特性があると理解しましょう。

また、苦手を克服させることばかりに注目せず、得意な分野を伸ばす視点を持つことが重要です。

絵を描くことが好きなら自由に表現させる、話すことが得意なら人前で話す機会を増やすなど、小さな成功体験を積み重ねていくことが自信になります。

さらに「できたことを褒める」習慣を持ちましょう。

テストの点数や結果ではなく、途中の工夫や最後まで取り組んだ姿勢を評価すると、子どもは「頑張りが認められた」と感じます。

その安心感が次の挑戦につながります。

家庭では、リラックスできる時間を意識的につくることも大切です。

学習で疲れた心を癒す居場所があることで、子どもは安心して学校生活に向かうことができます。

親の温かい関わりが、子どもの学ぶ力を支える土台になるのです。

学習障害の相談先と社会の支援制度【教育センター・療育】」

学習障害に気づいたら、家庭だけで抱え込まず、学校や地域の支援制度を頼ることが大切です。

まず身近なのは、学校に配置されている特別支援教育コーディネーターです。

担任や保護者とつなぎ役を担い、必要に応じて支援方法や学習上の配慮を一緒に考えてくれます。

地域レベルでは教育センターや発達支援センターが相談窓口になります。

発達検査や観察を通して子どもの特性を把握し、就学や進路について具体的なアドバイスを受けられることが多いです。

療育センターでは言語や運動など専門的なトレーニングを受けることができ、生活や学習のしやすさをサポートしてくれます。

また、児童発達支援や放課後等デイサービスなどの福祉サービスを利用する道もあります。

専門スタッフの支援を受けることで、家庭や学校だけでは補えない部分を支えることができるのです。

こうした制度を上手に組み合わせれば、親も子どもも安心して前進できます。

気になることがあれば早めに相談することが、将来の学びを守る第一歩になるのです。

『愛の、がっこう。』監修者と学習障害当事者の声

『愛の、がっこう。』は学習障害を正しく描くために、専門家や当事者の協力を得て制作されています。

物語のリアリティや説得力は、こうした方々の知見や体験に支えられています。

宇野彰先生(読み書き監修)

発達性ディスレクシア研究の第一人者です。

読み書き困難の現れ方や支援のあり方を監修し、ドラマに正確な描写を反映させました。

宇野先生が監修された本は以下。読みやすくおすすめです。

南雲明彦さん(読み書き取材)

自身も発達性読み書き障害を持つ当事者です。

日常で感じる困難や体験を取材で伝え、脚本や演出にリアルな声を届けています。

関口裕昭さん(言語聴覚士/読み書き取材)

発達性読み書き障害の当事者であり、言語聴覚士としても活動。

支援の工夫や専門的な視点から、教材やセリフの正確性に貢献しています。

これらの監修・取材によって、ドラマは単なるフィクションにとどまらず、実際の学習障害を正しく伝える役割を果たしています。

『愛の、がっこう。』はどこで見られる?見逃し配信まとめ

ドラマ『愛の、がっこう。』を見逃してしまった方や、最初からもう一度見直したい方のために、配信中のサービスをまとめます。

まずおすすめは FODプレミアム。フジテレビ公式の動画配信サービスで、全話を安心して視聴できます。

放送局公式だから関連番組やスピンオフ動画も見られるのが魅力です。

次に、世界的に利用者の多い Netflix でも配信されています。

すでに会員の方なら追加料金なしで全話を一気に楽しむことができます。サブスクで気軽にドラマを楽しみたい人にぴったりです。

さらに、放送直後なら TVer でも最新話を無料で見逃し配信しています。

ただし視聴できる期間が1週間程度と短いため、早めにチェックする必要があります。

また、Amazon Prime Video の会員であれば、追加で「FODチャンネル」を契約することで『愛の、がっこう。』を視聴できます。

普段からAmazonを利用している人には手軽な選択肢です。

一方で、現時点では U-NEXT など他の大手サービスでは配信されていません。

確実に全話を見たい場合は、FODまたはNetflixを選ぶのがおすすめです。

まとめ:お子さんの個性を大切に、自信を育てよう

『愛の、がっこう。』は、学習障害を抱える人の日常を丁寧に描き、多くの視聴者に気づきを与えてくれました。

努力不足と誤解されがちな課題が、実は脳の特性によるものであることを知ることは、子どもを理解する第一歩です。

学習障害のある子どもは、読み書きや計算で苦労する一方で、できることがゼロということはありません。

その個性を伸ばすことが、自信を育み、前向きな姿勢につながります。

親ができるのは、できなかったことを責めるのではなく、小さな成功を一緒に喜ぶことです。

そして、不安や疑問を一人で抱え込まず、学校の先生や特別支援コーディネーター、教育センターや療育機関に相談することも大切です。

学習障害はゴールの見えない問題ではなく、適切な理解と支援で子どもの可能性は大きく広がります。

ドラマをきっかけに興味を持った今こそ、親としてできることを少しずつ実践し、温かく見守りながら一歩ずつ未来を歩んでいきましょう。

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